前回の記事ではアメリカの最新動向を掲載しましたが、今回は、そのアメリカよりも個社毎の取り組みが進んでいるヨーロッパのトレンドについてお伝えしたいと思います。
ヨーロッパでは、従来より、「Human Resources Report」(ドイツ銀行)、「People Fact Book」(アリアンツ社)、「HR Report」(インフィニオン社)など、人的資本専門の対外レポートを発行する先行的企業が多く存在しており、人的資本の開示における世界のモデルとなってきました。
そんなヨーロッパにおいて、今年(2021年)1月に、世界中の機関投資家や経営者から注目を浴びた出来事がありました。
ドイツ銀行の傘下であるアセットマネジメント会社:DWS社(https://www.dws.com/en-jp/)が、世界で初めてISO 30414の取得企業として認定されたのです。
同社が昨年10月に発行したHuman Capital Report 2020(https://download.dws.com/download?elib-assetguid=69246345d81c4a12baedab951e531b68)は、以下の図①の通り、計5ページのシンプルなレポートでしたが、ISO 30414で推奨される開示項目/指標がコンパクトに纏められており、他企業が同規格の認定を受けるにあたってのベンチマークとなる内容でした。
【図①:DWS社 Human Capital Report 2020の内容(出所:上記URLより)】
続いて同3月には、そのDWS社の親会社であるドイツ銀行が、従来から作成していたHuman Resources Report(https://gmc.db.com/static/HR_Report_2020_EN.pdf)において、ISO 30414の認証を取得したことを公表しました。
同レポートはなんと100ページを超えており(!)、この記事では詳細を割愛しますが、ISO 30414の推奨指標のみならず、自社戦略に基づき、多岐に渡る人的資本データを網羅的かつ定量的に開示している点が特徴的です。
当社は、人的資本開示の領域において世界を先導している1社のところ、今後の動向が注目されます。
今回は、先行しているドイツ企業の事例を中心にご紹介しましたが、今後は、その周辺諸国(+UK)の事情もお伝えできればと考えております!お楽しみに!
HCプロデュース/土井
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