HCプロデュースの企業ロゴ

人的資本で
            組織の成長を支援する            

ARTICLE

記事詳細

ISO 30414認証取得 新東工業株式会社インタビュー

・インタビュイー:新東工業株式会社(以下、新東工業) 永井社長、人事部 澤井部長、鈴木担当員
・インタビュアー:HCプロデュース(以下、HCPro) 代表取締役 保坂、マネジャー 居原

2024 年3月、愛知県名古屋市に本社を構える新東工業は国内製造業では4社目、機器メーカーとしては2社名となる ISO 30414の認証を取得した。「認証取得が目的ではなく、ISO 30414で会社を再定義する」──永井社長はそう語る。本記事では、ISO 30414認証を目指した背景、取得後に得た気づき、そして審査を通じて見えた同社の強みをお届けする。

  株式会社HCプロデュース マネジャー 居原               株式会社HCプロデュース 代表取締役 保坂           

【ISO 30414認証取得の背景】
~グローバル ☓ ISO 30414で自社を再定義~
保坂(HCPro):
ISO 30414認証を目指された背景について、お聞かせください。

永井社長(新東工業): 
認証の取得にあたり大切にしたことは、”認証取得が目的ではない”という姿勢です。
ISO 30414はあくまで会社を再定義するツールであり、指標が映し出す現実を受け止め、人事制度全体の仕組みをブラッシュアップすることを狙っています。
当社では海外売上比率の上昇に伴い、グローバル拠点(23ヵ国)で働く仲間を公平に評価するために統一したスキル基準を用いています。(人事制度は各国で運用) このように統一された基準をもとに、世界中の社員がスキルを高めており、人的資本経営も同様にグローバルな基準を持つことが重要だと考えたからです。 

保坂(HCPro):
永井社長ご自身の経験も影響したとか。

永井社長(新東工業):
はい。私はボーイスカウトの愛知県連盟の理事長を務めているのですが、ボーイスカウトには、統一された基準(評価軸)を元にスキルを可視化する仕組みがあります。
当社のスキル基準もグローバルで運用するために共通の基準を用いています。
そして、「人的資本経営」も同様であり、当社がISO 30414の認証取得を目指すことを決めた理由は、ISO 30414が国際基準だということが理由です。

新東工業株式会社 代表取締役社長
永井淳

 


【認証を取得して得た気づき】
~“出したくない数字”が信頼をつくる~
居原(HCPro):
認証を取得して得た、想定外の副産物はありましたか?

澤井部長(新東工業):
たくさんあります。まず、「正直あまり開示したくない」データも基準に基づき公開することで、ステークホルダーからの信頼が向上したと感じています。それらの指標を開示することで私たち自身の改善に向けた責任感と共に行動力が生まれました。

鈴木さん(新東工業):
従業員サーベイやアンケートのデータは、「やっぱり、そうか…」と感じることが多くありました。これらのデータをもとに皆で議論を重ねることで、社員のための改善を進めたいと考えています。

新東工業株式会社 部長
澤井実
 

 【HCProから見たときの新東工業の強み】
~”リンゴを下さい”と言われたら?~
居原(HCPro):
審査担当として強く印象に残ったこととして、
新東工業は、社員のみなならず、社員の家族、国内外の取引先までを包括した人的資本経営に取り組んでおり、仲間を大事にするという熱い想いが感じられました。
リファーラル採用の人数が増加していることも”ファンづくり”が上手くいっていることの証だと思います。
御社では“仲間を大切にする文化”が根付いていると感じましたが、それを社内で醸成するために意識されている点や具体的な取り組みはありますか?

永井社長(新東工業):
若者世代の考え方の変容、人材の流動化が加速していることを踏まえてこれまでよりも、上司/部下の関係性をより強めていくことが重要になっています。
例えば、”リンゴを下さい”と言われた時に何を想像しますか?
ある人は赤色で大きく甘いリンゴを想像し、また別の人は青色の小さくすっぱいリンゴを想像するかもしれません。
このように言葉だけでは意図やイメージが正確に伝わらないことがあります。
しかし、普段から信頼関係が築かれている間柄で、対面で話せる環境があれば、そうした誤解やすれ違いは容易に防ぐことができます。
最近は、メールだけのやり取りが増え、関係性が希薄になっていることが課題になっています。
オンライン化が加速している現代では繋がりが希薄になる中で、新東工業は社員全員の絆が深まるようなイベントを毎月開催しています。
例えば、任意参加の潮干狩りやマスのつかみ取り等のイベントでは、社員の家族にも参加してもらっています。
今後も”関係性人口を増加させる”という考えのもと、社員同士やその家族との繋がりがより深まるような様々なの仕掛け(イベント)を企画していきます。

居原(HCPro):
毎年、人的資本経営の取り組みも着実にレベルアップしており、組織としての成熟度が高まっていることを感じます。社員一人ひとりのつながりを大切にしながら進化し続ける御社の姿勢から、今後の企業成長を大いに期待しています。

PICKUP

関連記事

関連記事一覧へ
iso-30414

ISO 30414:2025 FDIS対訳版(英・邦訳)販売開始

第17期ISO 30414プロフェッショナル認証講座 募集開始!

「アダプティブ・リーダーシップ講座」(他流試合型プログラム)のご案内

認証取得企業 認証企業インタビュー